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インボイス制度において、中古自動車買取販売業者が仕入税額控除を受けるための要件

2022/08/01

[相談]

私は、中古自動車の買取販売業を営む会社を経営しています(なお、当社は古物商許可を取得しています)。

そこでお聞きしたいのですが、インボイス制度導入後、当社が行う次の取引について、消費税の仕入税額控除(※1)の適用を受けるためにインボイスの保存は必要なのでしょうか。

① 一般消費者から、中古自動車を仕入れる取引

② オートオークション会場で、中古自動車を仕入れる取引

※1 消費税納税額の計算にあたり、課税売上げの消費税額から課税仕入れの消費税額を差し引くこと

[回答]

ご相談の①については、帳簿のみの保存で仕入税額控除の適用を受けられます。

次に、②について仕入税額控除の適用を受けるためには、帳簿の保存に加えて、オートオークション会場が中古自動車を出品した事業者を代理して交付した、その出品者の氏名又は名称及び登録番号が記載されたインボイス、もしくはオートオークション会場が自己の氏名又は名称及び登録番号その他の一定の事項を記載して交付したインボイスを保存する必要があります。

[解説]

1.インボイス制度開始後の仕入税額控除の要件

消費税法上、令和5年(2023年)10月1日からのインボイス制度開始後における仕入税額控除の規定は、原則として、事業者がその課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等(インボイス)を保存しない場合には、その保存がない課税仕入れ等の税額については、適用しないと定められています。

ただし、古物商等が適格請求書発行事業者以外の者(一般消費者)から課税仕入れを行う場合その他の一定の場合については、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるという特例が定められています(※2)。

したがって、ご相談の①については、帳簿のみの保存で仕入税額控除の適用を受けられることとなります。

※2 購入した資産(古物)が、消耗品を除く棚卸資産に該当する場合に限ります。

2.オークション会場での中古自動車の仕入れについて、仕入税額控除の適用を受けるための要件

事業者がオートオークション会場を通じて中古車を販売するような委託取引については、本来、委託者が購入者に対してインボイスを直接交付しなければなりませんが、特例として、オートオークション会場(受託者)が委託者を代理して、委託者の氏名又は名称及び登録番号を記載した、委託者のインボイスを、購入者に交付(代理交付)することも認められています。

また、委託者及び受託者が適格請求書発行事業者(インボイスを発行できる事業者)であり、かつ、委託者が受託者に、自己が適格請求書発行事業者の登録を受けている旨を取引前までに通知している場合には、インボイスの記載事項のうち、適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号について、受託者(オークション会場)が自己の氏名又は名称及び登録番号を記載したインボイスを、委託者に代わって、購入者に交付することができます(これを、「媒介者交付特例」といいます)。

したがって、オートオークション会場での中古自動車の仕入れについては、代理交付されたインボイスか、媒介者交付特例によるインボイスのどちらかを帳簿とともに保存することで、仕入税額控除の適用を受けられることとなります。

[参考]

新消法30、57の4、新消令49、70の12、国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」(令和4年4月改訂)など

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