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インボイス制度導入後における、免税事業者からの仕入れにかかる消費税額の取扱い

2022/04/01

[相談]

私は、建築業を営む会社を経営しています。

当社は、大工工事や左官工事などを数十名の個人事業主(消費税課税事業者、消費税免税事業者が混在しています)に外注しているのですが、その外注費にかかる消費税について、令和5年(2023年)10月1日のインボイス制度導入後に取扱いが変わるとの話を聞きました。その概要を教えてください。

[回答]

ご相談の外注費のうち、消費税免税事業者への支払にかかる消費税については、インボイス制度導入後は、原則として、御社の消費税納付額の計算上、仕入税額控除を行えないこととなります。

[解説]

1.消費税法上の「課税仕入れ」とは

消費税法上の「課税仕入れ」とは、原則として、事業者(個人事業者および法人)が、事業として他の者から資産を譲り受け、もしくは借り受け、又は役務の提供(給与等を対価とする役務の提供を除きます)を受けることをいうものと定められています。

なお、現行の消費税法では、上記の「他の者」には、消費税課税事業者だけでなく、消費税免税事業者や一般消費者も含まれるものとして取り扱われています。

2.消費税の納付税額の計算方法

消費税の納付税額は、課税期間(※1)中の消費税課税売上げにかかる消費税額から、その課税期間中の「課税仕入れ等に係る消費税額」を控除して計算します。

このとき、事業者が消費税免税事業者から行った資産の譲り受け(商品などの購入)等については、上記1.のとおり、消費税法上の課税仕入れに含まれることとされているため、例えば、消費税免税事業者に外注費110万円(10%税込)を支払った場合には、原則として、そこに含まれる消費税額10万円を、消費税課税売上げにかかる消費税額から控除(仕入税額控除)して、その事業者が納付すべき消費税額を計算することとなります。

※1 消費税の課税期間は、原則として、個人事業者の場合にはその年、法人の場合にはその事業年度となります。

3.インボイス制度導入後の、免税事業者等からの仕入れの取扱い

令和5年(2023年)10月1日から導入される、消費税の「適格請求書等保存方式」(インボイス制度)では、上記2.の「仕入税額控除」の要件として、原則的に、「適格請求書発行事業者」から交付を受けた適格請求書(インボイス)の保存が必要になります。

上記のインボイスを発行できる「適格請求書発行事業者」となれるのは、消費税課税事業者に限られています。

このため、インボイス制度導入後に消費税免税事業者や一般消費者(以下、消費税免税事業者等)から課税仕入れを行った場合には、原則として、上記2.の「仕入税額控除」が行えないこととなり、その分だけ、消費税の納税額が増える可能性があるということになります(※2)。

※2 インボイス制度導入から一定期間は、消費税免税事業者等からの課税仕入れであっても、一定の要件のもと、仕入税額の一定割合を控除できるという経過措置が設けられています。

(消費税免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置を適用できる期間と割合)

期間
割合
令和5年10月1日から令和8年9月30日まで
仕入税額相当額の80%
令和8年10月1日から令和11年9月30日まで
仕入税額相当額の50%

参考:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」

[参考]

消法2、新消法30、57の2、平成28年改正法附則52、53、消基通11-1-3、国税庁タックスアンサー6455「免税事業者や消費者から仕入れたとき」など

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