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相続で不動産を取得したときに生ずる税金

2021/09/01

Q.今月のご相談

不動産を取得すると、不動産取得税や登録免許税がかかりますが、相続が原因の取得であってもこれらの税金はかかるのでしょうか。

A-1.ワンポイントアドバイス

相続により不動産を取得した場合、不動産取得税はかかりませんが、登録免許税はかかります。

A-2.詳細解説

1.不動産取得税

不動産取得税は、不動産の取得に対して課されるものです。しかし、たとえば次の原因によって不動産を取得した場合には、不動産取得税は課されません。

◦相続によるもの

◦包括遺贈(民法964条)によるもの

◦被相続人から相続人に対してなされた遺贈によるもの

したがって、相続が原因の不動産取得である場合に、不動産取得税はかからない、という判断になります。

2.登録免許税

登録免許税は、不動産の登記に対して課されるものです。

相続で不動産を取得した場合には、相続によりその不動産の所有権が移転されたことになるため、登記されている名義人を変える登記(所有権移転の登記、通称「相続登記」といわれています)を行います。この相続登記時に、登録免許税を納めます。

登録免許税は、課税標準に税率を乗じて計算します。

(1)課税標準

課税標準は、相続により取得した不動産に固定資産税評価額がある場合にはその評価額、ない場合には登記所が認定した価額となりますが、いずれの価額についても1,000円未満の端数は切捨てます。

(2)税率

相続登記の場合の税率は、売買などの登記に比べて税率が優遇されています。

土地の代表的な登記理由による登録免許税の税率を、以下にまとめました。

登記理由 税率
売買 2%(令和5年(2023年)3月31日までは1.5%)
相続、法人の合併又は共有物の分割 0.4%
上記以外(贈与・交換・収用等) 2%

例.固定資産税評価額が2,000万円の土地を相続で取得し、その相続登記を行う場合

2,000万円 × 0.4% = 8万円


なお、相続登記が未了のまま放置されるケースが社会問題として表面化しており、相続登記の義務化が令和3年(2021年)4月21日に成立し、同月28日に公布(3年以内の施行)された他、相続登記を促進する措置として以下の免税措置があります。この適用期限は、令和3年度税制改正により1年延長され、令和4年(2022年)3月31日までとなっています。

◦相続により土地を取得した個人が登記をしないで死亡した場合の登録免許税の免税措置

◦少額の土地を相続により取得した場合の登録免許税の免税措置

<参考>

地法73の7、国税庁タックスアンサー「No.7191 登録免許税の税額表」など

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