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住宅ローン控除とマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の併用可否

2021/08/16

[相談]

私は現在、住宅ローン控除の適用を受けています。

諸般の事情により、住宅ローン控除の適用を受けているその住宅(自宅)を今年(2021年)中に売却し、同じく今年中に新しく住宅(自宅)を購入することを検討しています。

現在の自宅の売却については売却益が出る見込みのため、マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の適用を受けたいと考えています。

同時に、新たに購入する自宅について住宅ローン控除の適用も受けたいと考えているのですが、その併用は可能でしょうか。教えてください。

[回答]

ご相談の場合、マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例と住宅ローン控除の併用はできません。

[解説]

1.マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の概要

マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例とは、正式名称を「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」といいます。

具体的には、個人が所有する居住用財産(マイホーム)を売却した場合において、その売却による利益(譲渡所得)から最高で3,000万円を控除できるという所得税法上の制度です。

なお、上記の「最高で3,000万円を控除できる」という部分について、売却したマイホームの所有期間の長短は影響を及ぼしません。

2.マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の適用を受けるための要件

上記1.のマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の適用を受けるための主な要件は、下記のとおりです。

①自分が住んでいる住宅等の売却であること

②過去に自分が住んでいた住宅等を売却した場合には、その住宅等に住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に売却すること

③その年の前年又は前々年においてマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例等の適用を受けていないこと

3.住宅ローン控除制度の概要

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、個人が住宅ローン等を利用してマイホームの取得等をし、令和3年12月31日までにそのマイホームに実際に住んだ場合で一定の要件を満たすときにおいて、その住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、マイホームに実際に住んだ年分以後の一定の各年分の所得税額から控除するという所得税法上の制度です。

ただし、この制度は、そのマイホームに実際に住んだ年とその前年、前々年に上記1.のマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例等の規定の適用を受けている場合には、適用しないことと定められています。

また、そのマイホームに実際に住んだ年の翌年以後3年以内の各年において、住んでいた住宅等を売却し、上記1.のマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例等の適用を受ける場合にも適用しないと定められています。

言い換えますと、マイホームに実際に住んだ年とその前2年・後3年の計6年間については、住宅ローン控除とマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例は併用できないということです。

したがって、今回のご相談の場合についても、同じ年(2021年)において住宅ローン控除とマイホームを売った場合の3,000万円の特別控除の特例の併用はできないこととなります。

[参考]

措法35、41など

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