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Go Toトラベル事業、Go To Eatキャンペーンと所得税

2021/01/15

[相談]

 私は11月に、国のgo to トラベル事業を利用して国内旅行をし、また、Go To Eatキャンペーンも利用して家族で食事を楽しみました。それらの事業等で割引等を受けた金額が所得税の課税対象となると聞いたのですが、本当でしょうか。教えてください。

[回答]

 Go Toトラベル事業、Go To Eatキャンペーンによる割引金額(給付金)等は、所得税法上の一時所得として課税対象となります。ただし、実際に所得税額が発生するかどうかについては様々なケースが考えられますので、下記解説をご参照ください。

[解説]

1.Go Toトラベル事業の概要

 Go Toトラベル事業とは、新型コロナウイルス感染症の拡大によって失われた旅行需要の回復や旅行中における地域の観光関連消費の喚起を図るとともに、ウィズコロナの時代における「安全で安心な旅のスタイル」を普及・定着させる目的で、宿泊を伴う、または日帰りの国内旅行の代金総額の1/2相当額を国が支援する事業です。  

 給付額の内、70%は旅行代金の割引に、30%は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与されます。

2.Go To Eatキャンペーンの概要

 Go To Eatキャンペーンとは、新型コロナウイルス感染症予防対策に取り組みながら頑張っている飲食店を応援し、食材を供給する農林漁業者を国が応援する目的で行われるキャンペーンです。その内容は、大きく分けて次の2つです。

①レストラン等をオンライン予約したうえで来店した消費者に対し、次回以降に飲食店で利用できるポイントを、1人最大1,000円分付与する

②登録飲食店で利用できるプレミアム付食事券(購入額の25%を上乗せ)の販売

3.Go Toトラベル事業とGo To Eatキャンペーンの給付額への所得税の課税の有無

 国税庁によれば、国や地方公共団体からの助成金等については、それらの個別の事実関係によって、所得税の課税の有無が異なるとされています。

 そのうち、Go Toキャンペーン事業における割引金額(給付金)等については、所得税法上の「一時所得」に区分され、所得税の課税対象となることを国税庁が公表しています。

  一方、Go To Eatキャンペーンによる給付金等については、農林水産省が、消費者個人の「一時所得」として所得税の課税対象となることを公表しています。

 このため、Go Toトラベル事業とGo To Eatキャンペーンによる給付金等については、ともに、所得税法上の「一時所得」として課税対象となります。

4.一時所得に対する所得税額の計算方法の概要

 所得税法上、「一時所得」の金額は、その年中のすべての一時所得の金額から、一時所得を得るために支出した必要経費の合計額を控除し、さらに、その残額から一時所得の特別控除額(50万円)を控除した金額とする、と定められています。

 このため、令和2年中にGo Toトラベル事業やGo To Eatキャンペーンの利用によって得た給付金等の総額が50万円以下である場合には、一時所得として所得税の課税対象となる金額は0円となり、一時所得に対する所得税額も0円となります。

 ただし、Go Toトラベル事業やGo To Eatキャンペーンの利用によって得た給付金等の他に、一時所得に該当する「生命保険の一時金」や「損害保険の満期返戻金」等を令和2年中に受け取っている場合には、一時所得の金額は、それらも合算して計算することとなります。このため、場合によっては一時所得が発生する可能性があります。

  Go Toトラベル事業やGo To Eatキャンペーンを利用した方で、令和2年中に生命保険の一時金等を受け取られた方については、ご自身に一時所得が発生するかどうかについて、一度、最寄りの税務署等にご相談されるとよいのではないでしょうか。 

[参考]

 所法34、36、国税庁「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」、農林水産省「Go To Eat キャンペーン事業に関するQ&A」、Go Toトラベル事業公式サイト、Go To Eatキャンペーン公式サイトなど

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