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青色事業専従者だけに掛けた定期保険の保険料の取扱い

2021/05/14

[相談]

 私は個人事業を営んでおり、毎年、所得税の青色申告を行っています。
 また、妻は私の事業に従事しており、所得税法上の青色事業専従者となっています。

 ところで先日、保険代理店業を営む友人から、妻を定期保険に加入させて私がその保険料を支払えば、その保険料は私の事業所得の計算上、必要経費に算入できると聞いたのですが本当でしょうか。
 なお、私の個人事業には、青色事業専従者である妻以外の従業員はいません。

[回答]

 ご相談の定期保険の保険料については、所得税法上の必要経費には算入できません。

[解説]

1.青色事業専従者給与の概要

 所得税法上、個人事業者がその事業に従事する同一生計の配偶者や親族に給与を支払っても、原則的にはその給与は必要経費にはなりません。

 ただし、その例外として、その年の3月15日(原則)までに青色事業専従者の職務の内容など一定の事項を記載した届出書(青色事業専従者給与に関する届出書)を税務署長へ提出すると、その届出書に記載されている人に対し、その記載した金額の範囲内で支払った青色事業専従者給与については、所得税法上の必要経費に算入することができます(ただし、労務の対価として相当であると認められる金額に限られます)。

2.定期保険とは

 定期保険とは、保障の期間が一定期間に限られている死亡保険のことを指しますが、保険期間満了時等の給付がないことから、「掛け捨て」と呼ばれることもあります。

 この定期保険の保険料については、個人事業者の営む事業に青色事業専従者以外の従業員がおり、その従業員と同一の基準で定期保険契約がなされている場合に限って、その個人事業主の所得税法上の必要経費に算入できることとされています。

 このため、今回のご相談の定期保険料については、青色事業専従者以外の従業員がいないとのことですので、所得税法上の必要経費に算入することはできないこととなります。

[参考]

 所法56、57、所令164、所規36の4、昭48.12.22直審3-142、東京国税局「所得税・消費税誤りやすい事例集」(令和2年12月)など

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