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インボイス制度初日から適格請求書を発行しようとする場合の、登録申請書の提出期限
2021/05/06
[相談]
会計事務所に勤務する者です。
令和5年(2023年)10月1日から導入される消費税の適格請求書等保存方式(日本型インボイス制度)では、事業者が適格請求書を発行するためには「適格請求書発行事業者」としての登録を受けなければなりませんが、消費税の免税事業者が課税事業者となることを選択し、令和5年10月1日から適格請求書を発行できるようにするためには、いつまでに適格請求書発行事業者の登録申請書を提出しないといけないのでしょうか。
[回答]
ご相談の場合、原則として、令和5年3月31日までに登録申請書を提出する必要があります。
[解説]
1.適格請求書発行事業者登録制度の概要
消費税法上、令和5年(2023年)10月1日以降の取引について事業者が仕入税額控除の適用を受けるためには、原則として、「適格請求書発行事業者」から交付された適格請求書(または適格簡易請求書)を保存することが要件となります。
適格請求書発行事業者となるためには、納税地の所轄税務署長に登録申請書を提出して登録を受けることが必要とされており、その登録申請書は、令和3年(2021年)10月1日から提出することができます。
2.インボイス制度初日から適格請求書を発行しようとする場合の、申請書の提出期限
消費税法上、消費税免税事業者については、適格請求書発行事業者の登録を受けることができる事業者から除かれることと定められているため、消費税免税事業者は適格請求書を発行することができないこととなります。
また、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについては、原則として、その全額が仕入税額控除の対象とならないとも定められています(※1)。
このため、令和5年10月1日以降は、それまでは消費税免税事業者であった個人事業者や法人が、取引関係の維持等を目的として、あえて消費税納税義務者となることを選択する可能性が出てくるものと考えられます。
そのような場合、それまで免税事業者であった事業者が、日本型インボイス制度開始日である令和5年10月1日から適格請求書を発行できるようにするためには、原則として、令和5年3月31日までに登録申請書を納税地の所轄税務署長に提出することが必要とされています。
なお、適格請求書発行事業者としての登録日が令和5年10月1日の属する課税期間中である場合には、例外として、消費税課税事業者選択届出書を提出しなくても、その登録を受けることができることとされています(※2)。
※1 ただし、令和11年(2029年)9月30日までは経過措置が設けられています。
※2 この場合、令和5年10月1日以降は消費税の小規模事業者に係る納税義務の免除の規定の適用はないこととなります。
[参考]
平成28年改正法附則44、消法(令和5年10月1日施行)2、9、57の2、57の4、消令(令和5年10月1日施行)70の2、インボイス通達2-1、5-1、国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」など
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